ヘルニアの治療とタイプ

目次

    椎間板ヘルニアとは

    椎間板ヘルニアついて説明します。

     

    人間の背骨は骨と骨の間には

    ほとんど水分でできたクッションがあります。

    これが椎間板という軟骨です。

     

    椎間板があることによって人間は

    ある程度自由に動くことができます。

    (魚はないから動きが単純です)

     

    椎間板が後ろに大きく膨らんでしまって

    神経にヒットし、坐骨神経痛などの症状が

    でる疾患です。

     

    もう一度分かりやすく説明します。

    たぶん、専門的用語で理解でない人も

    いると思いますので。

     

    「椎間板ヘルニア」を「イチゴ大福」に

    例えると、

     

    『イチゴ=椎間板の核』が

    『あんこ=椎間板』をとびだして

    『皮=神経』にさわったり、おしたり、

    ときには『皮』からとびだしてしまった

    状態をいいます。

     

    分かっていただけましたでしょうか?

     

    腰痛との鑑別が難しいのですが、

    ヘルニアの特徴的な症状は

    お尻から足にかけてシビレがある

    ということです(坐骨神経痛)。

     

    お尻の骨(仙骨)尾てい骨に

    痛みがあることもよくあります。

     

    椎間板ヘルニアの3兆候は、

     

    ①せき、くしゃみで痛い

    ②朝が特に痛い

    ③前屈が痛い

     

    朝が痛いのは、身長を測ると朝が

    1番高いのですが、これは骨と骨の間に

    ある多数のクッション(椎間板)が

    寝ている間に水分を吸収して膨らんで

    いるからです。

    病院でのヘルニアの治療

    切開手術(Love法:ラブ法)

    ラブ法は昔から行われているオペです。

    全身麻酔で行われます。

     

    メスで腰を5センチ前後、縦に切開して

    飛び出した椎間板を切除します。

     

    オペ後は数週間の入院と訓練が必要です。

     

    最近はマイクロラブ法(Micro Love法)法と

    いってオペ跡を小さくするために、

    神経を傷つけないないために顕微鏡を

    使って行われるようになってきました。

     

    身体に負担がかかりますし、オペ後は

    身体を固定され動けません。

     

    そのうえ数週間の入院も必要です。

     

    ●メリット

    ・保険が効く

    ・確実に飛び出した椎間板を確実に

    除去できる

    ・効き目が高い

    ・顕微鏡を使えればり直視下よりも

    効き目が高い(MLD法)

    ・内視鏡を使ってオペができる(MED法)

     

    ●デメリット

    ・オペ時間が他のオペに比べて長い

    ・全身麻酔のため体に負担がかかる

    ・ラブ法の場合、傷跡が大きい

    ・3週間程度の入院しなければならない

    ・再発しないためにリハビリが必要

    内視鏡を使った手術(PED法)

    内視鏡を使ったヘルニアのオペである

    PED法は2003年に出沢明先生によって

    初めて日本に導入されました。

     

    ヘルニアのオペでは画期的だと思います。

    今後、このオペが主流になることは

    間違いないでしょう。

     

    なぜなら、体に対する負担が少なく、

    オペ時間も短い。

     

    入院する必要もなく傷跡が小さい。

     

    保険も効くので経済的負担も少ない。

     

    ●メリット

    ・一日でオペは終わるので入院する

    必要がない

    ・内視鏡でオペするので傷跡が少ない

    ・局所麻酔なので身体への負担が少ない

    ・再発率が少ない

     

    ●デメリット

    ・高度な技術が必要なためPEDオペが

    できる先生が少ない

    ・PEオペが受けられる施設が少ない

    ・ヘルニアの状態によってはできない

    こともある

    レーザーオペ

    レーザーオペは他のオペと違って

    飛び出した椎間板を切り取るのではなく

    椎間板の真ん中にレーザーを当てて

    ドーナッツのように穴を開けます。

     

    その穴を埋めるために椎間板が入り込み、

    飛び出した椎間板が引っ込むという手術です。

     

    このオペは切開手術や内視鏡手術と違って、

    直接見て行うのではなくレントゲンで間接的に

    見ながらレーザーを当てるので、成功するか

    しないかは先生の技量に関係してきます。

     

    ●メリット

    ・オペは一日で終わる

    ・入院しなくてもよい

    ・ヘルニアの初期の段階では効き目が高い

    ・体への負担が少ない

    ・直ぐに状態が和らぐ

     

    ●デメリット

    ・100%なおる保証はない

    ・保険が効かないため費用が高額(自費治療)

    ・ヘルニアの中期・後期は初期に比べ

    効き目が下がる

    ・一回のオペではなおらない場合は

    もう一回受けなければならない

    ・再発する可能性がある

    接骨院での施術

    接骨院では腰椎椎間板ヘルニアの施術は、

    まずヘルニア専用のベッドが最低必要です。

     

    このベッドがなければヘルニアを根本的に

    なおすことは難しいです。

     

    ヘルニア専用のベッドは上半身と下半身の

    パーツに別れていて下半身のパーツが

    床に向かって下がり、元に戻ります。

     

    病院での施術は牽引が一般的で

    上下に腰を伸ばすのですが、

    ヘルニア専用ベッドは仰向きで寝て、

    ベッドの下半身のパーツが動くことに

    よって腰が伸びるだけでなく、反らすことも

    できるのが特徴です。

     

    ヘルニア専用のベッドがあるからといって、

    直ぐになおせるわけではありません。

     

    高度な技術を要するので、専用ベッドで施術が

    できるまでには長時間の訓練が必要です。

     

    また、重症レベルの場合は他の技術も

    必要になってきます。

     

    ●メリット

    ・オペをしなくてもよい

    ・仕事を休まず働きながら施術を受けられる

    ・一次的ではなく、根本的になおすことが

    できる

    ・施術はバキバキしないから痛みがない

    ・自宅でできるストレッチを教えてくれる

     

    ●デメリット

    ・高度な技術がいるため、根本的になおす

    接骨院が少ない

    ・ヘルニア専用のベッドがない施術できない

    ・1回の施術だけではなおらない

    ・ヘルニアは法律上、接骨院では

    健康保険が効かない

    ・施術が終わっても、直ぐには効き目を

    感じられないこともある

    ヘルニアのタイプ

    膨留型

    ヘルニアのなかで最も多いタイプです。

    整形外科などの病院では

     

    「(椎間板)ヘルニアの初期症状ですね」

     

    「(椎間板)ヘルニアになりかけていますね」

     

    「椎間板症ですね」

     

    と先生から言われます。

     

    椎間板は周りを取り巻く繊維輪と中にある

    髄核で形成されています。

     

    饅頭で例えると外側の皮が

    繊維輪であんこが髄核です。

     

    膨留は、この髄核がMRI写真で

    見ると3~5mm突出した状態です。

     

    腰が局所的に痛く、放散痛もあり、

    しびれはお尻にでます。

     

    太ももから足にかけては、まだしびれが

    出ていないのが特徴です。

     

    また、せきやくしゃみで腰に痛みが出ます。

    突出型

    膨留型ではなかった太ももから足にかけて

    痛みやしびれが出ているのが特徴です。

     

    MRI写真では飛び出した髄核が5~8mm

    ぐらいまで 大きく突出しています。

    脱出型

    椎間板が飛び散ったもので腰には

    痛みはなく、お尻から足にかけて

    痛みやしびれが非常に強いです。

     

    動くだけで痛みやしびれが出るので、

    歩くのも困難です。 痛みで眠れなかったり、

    痛みで目が覚めることもあります。

    院長からのメッセージ

    椎間板ヘルニアについて、施術家としての

    これまでの経験をもとに説明させて

    いただきます。

     

    この記事に書いてあることは、あくまで

    個人的な意見ではありますが、私は

    柔道整復師という国家資格を持っています。

     

    また、医者、カイロプラクティックドクター、

    アスレティックトレーナーからから15年間、

    学んできました。

     

    私の資格や施術経験をもとに、

    椎間板ヘルニアで悩んでいる方のお役に

    少しでも立てるように、できるだけ

    分かりやすい記事を書くよう心がけています。

     

    もしも、よく分からなかった場合には、

    どの部分がよく分からなかったのか具体的に、

    ご指摘して頂けると助かります。

     

    最後まで読んで頂きありがとうございました。