- 老人に多い骨折として知られている
- 骨粗しょう症が起きていると発生しやすい
- 交通事故などのハイエネルギー損傷でも発生する
- 高齢者の場合だと知らない間に骨折が発生する場合が多い
- 痛みで歩行が困難になり寝たきりになってしまう
大腿骨頸部骨折とは?
・高齢者に多い骨折で、骨粗しょう症を
発症している方に頻発します。
・大腿骨の頸部とは太ももの付け根の部分の骨で
この部分は関節包という関節の袋に包まれていますが、
関節包の中で骨折が起きる場合を頸部内側骨折、
関節包の外で起きる場合を頸部外側骨折と言います。
・高齢者に多いのは頸部外側骨折で年齢が高くなればなるほど
外側骨折になる傾向にあります。
大腿骨頸部骨折の原因は?
骨粗しょう症の方によく発生し、脆弱性骨折とも呼ばれます。
脆弱性骨折という名前の通り、寝返りを打っただけでも骨折が
発生してしまう場合もあります。
また、発生原因として多いのが転倒した際に大腿骨を打って
発生する場合です。
高齢者の場合、転倒した際に受け身をとることができず
その衝撃で骨折が発生します。
大腿骨頸部骨折の症状は?
・頸部内側骨折
痛みが強いため基本的に歩行ができなくなります。
歩行ができなくなってしまうのが原因で
高齢者の方は、寝たきりになってしまいます。
また、内側骨折の場合は関節包の内部での骨折なので
骨癒合(骨がくっついて治癒すること)が遅く、
偽関節(実際には関節がない部分なのに骨がくっついてないので
一見、関節があるかのように見えてしまう状態)になりやすくなります。
・頸部外側骨折
外側骨折は関節包の外の骨折なので内出血が多く、
骨折のほかに出血によるショック症状(顔面蒼白、冷や汗など)
が出る場合があります。
また出血量によってはめまいや体調不良などの症状が出る場合もあります。
外側骨折の場合は、内側骨折と違い骨折部の骨どうしがかみ合っている(噛合骨折)
場合があり、その場合だと痛みはありますが歩行は可能となります。
大腿骨頸部骨折で気を付けたい後遺症は?
・大腿骨の骨頭壊死
大腿骨の股関節側の先端には、大腿骨頭という場所があり
大腿骨頭は血流が乏しく、血液による栄養が届きづらい
部分になります。
頸部骨折が発生すると、大腿骨頭への血流が遮断され
大腿骨頭が壊死してしまいます。
こうなると手術が必要で元々あった大腿骨を取り除いて
人工の大腿骨頭に置換する手術を行う必要が出てくるので
注意が必要です。
*なお、高齢者に頸部骨折が発生した場合は基本的には
最初から手術が行われる場合が多いです。