高齢者が寝たきりになりやすい大腿骨頚部骨折とは?

  • 高齢者
  • 骨粗しょう症
  • 交通事故によるもの
  • 転んだ際に足の付け根を打った
  • 男女比が1:4で女性に多い

大腿骨頚部骨折とは?

大腿骨には、頭部、頚部、骨幹部などが

ありますが、その中の頚部が骨折してしまう

外傷です。

 

大腿骨の頚部は、骨盤から少し離れたところで

体重を支えるような形になっているので

力学的に、負担がかかりやすい構造になっています。

 

なので、若い人だと骨梁という線が入り骨が

丈夫になっていますが、高齢者の方の場合、

骨粗しょう症になっている方が多いので

骨が脆く骨折しやすくなっています。

 

このようなことから高齢者に多い骨折として

有名になっています。

大腿骨頚部骨折の原因は?

・転倒によるもの。

若い人が転倒しても骨折にはなりませんが

高齢者の方が転倒し、大腿骨の部分を

打つと簡単に骨折してしまいます。

 

・骨粗しょう症によるもの。

上記でも述べたように、高齢者の方は

骨が脆くなっているので骨折しやすいです。

 

場合によっては、足をひねっただけでも

骨折をしてしまう場合があります。

・交通事故によるもの。

 

若い方が大腿骨の骨折を起こす場合としては

交通事故などのハイエネルギーでの外傷が

機転となります。

大腿骨頚部骨折の症状と予後は?

大腿骨の頚部骨折では、

内側型と、外側型に分類することが出来ます。

 

ですので内側型と外側型で症状が異なります。

 

〈内側型〉

・内側型の骨折は、関節包の中の骨折のため

腫れや出血が徐々に出てきます。

 

・比較的軽度な外力で骨折を起こすことが多いので

骨折していることに本人が気づかない場合もありますが、

何かの拍子で骨折部分がずれることで急に立てなくなります。

 

・内側型骨折の場合、大腿骨頭に栄養を供給している

血管が大腿骨頭から離れてしまうので、大腿骨頭に

栄養が供給されず大腿骨頭が壊死してしまう場合もあります。

 

・手術療法が適応される場合は、予後は良好です。

 

 

〈外側型〉

・関節包の外の骨折のため腫れや出血が直ぐに

出現します。

 

・外側型の場合、ハイエネルギーな外力による損傷が

多いので応急的な処置が必要になります。

 

・ほかの損傷を合併している可能性があるので

全身状態のチェックが必要になります。

 

・かなりの量の出血(内出血)が起きるので

出血性ショックが起きる場合があり、生命に危険を

及ぼすこともあります。

 

・外側型の場合、入院による長期臥床による、

静脈血栓塞栓症や褥瘡、沈下性肺炎、認知症の進行などの

合併症に気を付けなければいけません。