「階段から落ちた時に突き指になりました」
突き指になった患者さんのお話です。
階段から落ちて、薬指を強打しました。
指が腫れていたので直ぐに整形外科で
レントゲン、MRIを撮ってもらいましたが、
運よく骨折はなく突き指ということでした。
病院での治療はギプス包帯固定と痛みどめの薬、
湿布で安静療法で経過をみることになりました。
2週間後、固定が外れ痛みが消えたのですが
薬指の第三関節が以前の曲げ伸ばしができなくなり
特に指を伸ばすと痛みが出ます。
突き指の治療で知ってほしいのは
長い間、固定すると関節の動きがかたくなり、
元の状態に戻るまで時間がかかります。
今は突き指になっても短期間の固定と
関節が固まらないように直ぐに指を動かす
リハビリが主流になっています。
上記の患者さんは完全に指を固定されて
いたのでリハビリができず、関節がかたまって
しまったと思われます。
ただ、第一、第二関節がまだ固まって
いなかったので幸いでした。他の関節も
固くなってしまうと回復が遅れる
原因になります。
接骨院である当院の施術は、電気で
関節周囲の筋肉を緩め、損傷した靭帯を
修復する超音波を当て、最後に固まった
関節を少しずつ動かしていきました。
最初は全く動かなかった指の関節も施術を重ねて
いくうちに動き出すようになり自宅でもお風呂で
手をグーパーグーパーと握ったり開いたりして
リハビリを行ってもらったら一ヶ月くらいで
8割程度まで回復しました。
施術も週に2回、しっかり通って頂いたのですが
それよりも自宅でのリハビリをしっかり
行ったことが早く良くなった要因だと思います。
突き指とは
指が伸びた状態でボールが当たったり、
手をついたときに指に力が加わって、
靭帯などを損傷を総称して突き指といいます。
バレーボール、バスケットボール、ドッジボール、
ハンドボール、野球など球技スポーツ時によく
見られます。
薬指や中指が損傷することが多いです。
突き指の症状
- はれ
- 圧痛
- 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
内出血・指の曲げ伸ばしが不可能
な場合は重症の可能性があります。
損傷部位によっては靭帯の完全断裂や
剥離骨折があります。
特に親指と小指の突き指は注意が必要です。
突き指の対処法
突き指の対処法はアイシングと固定が一番です。
アイシング方法はビニール袋や氷嚢に氷を入れ、
氷が浸るまで水をいれます。
アイスパックやアイスノン、保冷剤は
凍傷になる危険性がありますので絶対に
使用しないで下さい。
また湿布も効果はありますが、
直ぐに痛みを軽減させるなら氷水の方が
効果があると思います。
アイシングは最初は冷たくしびれてくるかも
しれませんが、3分我慢して頂ければ慣れてきます。
我慢できない方はガーゼの上から当て下さい。
感覚が麻痺してきて無痛無感状態になりますが、
氷水であれば問題ありませんのでご安心ください。
アイシング時間は10分で炎症がひどいときには、
一日に数回アイシングを行ってください。
但し、アイシングの間隔は最低でも2時間は
あけてください。
また、お風呂はアイシングする前に
入ってください。
接骨院での効果的な2つの治療法
突き指は変形性の関節症(関節包の拘縮)に
なりやすいです。
急性期であればアイシングと超音波という
電気療法が効果的です。
問題は直ぐに処置をせず慢性化して
しまった場合です。
突き指が発症すると、関節包といって
関節を包んでいる袋の真ん中に
亀裂が入ります。
直ぐに自然治癒力が働き亀裂が起きた
関節包の線維同士がくっつこうとするのですが
綺麗にくっつかず、ランダムにくっつくため
指の動きが悪くなります。
突き指の治療法ですが、1つはこのランダムに
くっついた繊維を一度切り離します。
切り離すときに繊細な動きが
必要になります。
ランダムにくっついた繊維を切り離す場合、
動かす関節の範囲は1センチ以内です。
これ以上動かすと、関節内で炎症(滑膜炎)を
起こし腫れる可能性があります。
指の関節包の繊維は縦方向だけでなく
横方向にも走っているので治療は
指を曲げたり伸ばしたりするだけでなく
左右横方向にも動かします。
指の横の靭帯(側副靭帯)が損傷している場合は
治療で左右横方向に動かす時には注意が必要です。
もう1つの治療法は癒着した指の腱と腱を
切り離すことです。
施術者が突き指を起こした関節の上下を
持って軽く牽引して保持します。
この状態を施術者がキープしながら
患者さん自身で指を曲げていきます。
これを繰り返すことによって癒着が
剥がれます。
指には二股になっている指の浅い腱(浅指屈筋腱)
の間を深い腱(深指屈筋腱)が走っているのですが、
突き指はこの部分で癒着が起きていることが多いです。
癒着が起きると第一関節の動きが悪くなります。
亀裂が生じた関節包の治療との違いは
患者さん自身が指を動かすことです。
突き指だと思ったら慢性化しないために直ぐに治療
指を強く突いてしまい、腫れがひどく
曲げ伸ばしが困難な場合は直ぐに病院で
レントゲンを撮ってもらいましょう。
突き指をしても、
「出血もないし、湿布をはっておけば大丈夫」
と思っている人が多いですが、
骨折していることも多々あります。
指の骨折は珍しくありません。
また、レントゲンでも見つからない
場合も良くあります。
以前、病院でのレントゲン写真では
異常なしと言われ突き指で来院された
子供の患者さんがいました。
腫れが残っていたので念のため違う病院で
もう一度レントゲン写真を撮ってきて
もらったら亀裂骨折していました。
大人はめったにないのですが、子供の指の骨折は
レントゲンでは骨がまだ軟骨の場合があるので
写らないことがあります。
もしも子供が指をついて痛みが出て
引かなければ、まず、最初に骨折を
疑ってください。
突き指など指の怪我は、直ぐに治療を
開始しないと慢性化してしまい治療期間が
長くなります。
また、関節の固定期間が長すぎても、
固まって動かしづらくなるので
痛みが軽減したら、直ぐにリハビリを
開始しましょう。
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