下記の患者さんがお見えになりました。

ちょっと背中が痛いから整体へ行き

2回目の治療の時に、背中を矯正して

もらったら呼吸が浅くなり胸に違和感を

感じ、右の肩甲骨が後ろにいかなくなりました。

不安になって内科でレントゲンやCTを

撮っても異常なし。

一体何が原因なのか分からないまま

仕事を我慢して続けていたけど違和感が

消えなかったそうです。

上記のような経験がある方は

きっと多いと思います。

なぜ、背中を“ボキッ”と鳴らされてから

呼吸が浅くなったり、苦しくなってしまったのか、

できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。

最初に、どのような背部痛なのか

調べるために骨や筋肉を触ったり、

動かしたりして検査します。

背部痛のタイプが分かったら

そのタイプに適した施術を行っていきます。

最初に電気でかたくなっている筋肉を

刺激してから、手でゆっくり緩めていき

矯正しやすい状態にもっていきます。

筋肉、横隔膜がやわらかくなったら、

歪んでいる胸椎、肋骨を痛みなく矯正します。

施術後に、痛みが軽減しているかどうか

確認するために、再度、骨や筋肉を

触ったり、動かしたりします。

最後に背部痛が改善する効果的な

ストレッチや運動、体操などを教えています。

腰や首の骨は前に構造上、前（胸側）に

移動することは少ないのです。

ですが、背中の骨（胸椎）だけは

前に移動する、ずれる、ゆがむことが

あります。

背骨が前に押し込まれるので胸が圧迫され

呼吸が苦しくなったり、背中に違和感を

感じたり寝ている時や寝返りをしているときに

痛みが出やすいです。

逆に車の運転など、背中を丸めておけば

呼吸がしやすく、前に押し込まれている背骨が

後ろへ多少出てくるので楽になります。

ずれている、ゆがんでいる感じというよりは

背骨周辺がむずむずする、背骨を押すと

痛いなどの症状を訴えることが多いです。

一度、背骨が前に強く押し込まれると

なかなか元に戻らないので、長い間違和感が

続きます。

肋骨は背骨にくっついているので、

背骨がゆがむと肋骨もゆがみ、逆に肋骨が

ゆがんでも背骨に影響を与えます

呼吸をするときに肋骨が広がったり

縮んだりするのですが、ゆがむことによって

この動きが制限されることがあります。

この場合は肋骨と胸椎がつながっている

関節（肋横関節・肋椎関節）の動きが

悪くなっているので、ここを矯正する

ことによって動きがスムーズになり呼吸が

しやすくなります。

また、肋骨と肺の間はある膜によって

つながっているので、この部分が癒着を

起こしていると肋骨の動きが悪くなり

呼吸に影響を与えます。

呼吸は肋骨の下にある横隔膜が

上下に動くことによって酸素を肺に入れたり

二酸化炭素を外へ出すことができます。

横隔膜は、実は筋肉なので

上手く働かないと呼吸が苦しくなります。

横隔膜が緊張する場合は

大きく分けると2つあります。

1つは姿勢によって横隔膜の

緊張度が変わります。

例えば、猫背の方で背中の筋肉をマッサージして

ゆるめても変化がない場合は横隔膜をゆるめて

あげると姿勢がその場で変化したり、背中の痛みが

消えたりします。

どうしても背中が痛いと、原因が

背骨にあるのでは？と思いがちですが

意外と横隔膜や内臓が影響していることが

あります。

もう1つは横隔膜をコントロールしている

首の神経です。

もしも背骨（胸椎）を矯正しても呼吸が浅い、

苦しい場合は頸椎がゆがんでいる

可能性があります。

実際に首の骨を矯正したら呼吸がしやすく

なった患者さんがいました。

横隔膜を直接ゆるめても呼吸が改善しない方は

頚椎がゆがんでいことが多いです。

側弯症の方で、背中の痛みや、呼吸がしづらい

浅い、苦しい場合は、横隔膜の緊張によって

起きている場合もあります。

背骨が曲がって猫背になっている場合

整体や接骨院ではよく膝で、座った患者さんの

後ろから強く背骨を矯正することがあります。

この矯正は実はとっても難しいので

経験が必要になってきます。

背骨を矯正した瞬間に止めないと

背骨が前（胸側）に入り込んでしまう

からです。

特に背中の筋肉がかたいひとや

こりがひどい人は背骨を矯正するときに

無意識に筋肉が抵抗するので、つい力が

入った矯正になりがちです。

できるだけ患者さんがリラックスさせた

状態で矯正の深さをコントロールできる

ベテランの先生であれば心配ないと

思います。

ちなみに骨が“ボキッ”と鳴れば、間違いないなく

矯正されたということではありませんので

勘違いしないようにして下さい。

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