手術するかどうか迷う癒着性椎間板ヘルニアとは

目次

    実際の症例

     

    一昨日から見えている患者さんですが

    病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断され

    手術を勧められました。

     

    とにかく上向き、横向きができなくて

    うつぶせ、もしくは四つん這いの姿勢しか

    とれません。

     

    MRIの画像を見させていただくと

    見事に椎間板が飛び出していて

    神経を強く圧迫しています。

     

    神経を圧迫しているだけなら

    いいのですが、2月にも一度ヘルニアを

    起こしているので、今回で二度目になります。

     

    最初はブロック注射で良くなったのですが

    今回は注射をしても良くならず、神経根注射をしても

    一時的に良くなっただけで直ぐに痛みが戻ったそうです。

     

    画像だけでは分かりませんが

    神経と後ろへ飛び出した椎間板が癒着している、

    くっついてしまっている可能性が高いです。

     

    この場合の手技療法は時間がかかります。

     

    良くなるかどうかは

    仰向きの姿勢で膝を曲げないで痛みのある

    足を上にあげてみて45度以下であれば

    癒着している可能性が高いので完治するのに

    時間がかかります。

     

    治療としては、まず癒着している神経と

    椎間板をはがす治療から行います。

     

    癒着が消えると我慢できる痛みに

    変わり、夜、痛くて眠れなかったのが

    眠れるようになります。

    手術かもしれない癒着性ヘルニアとは

     

    23万人施術してきましたが、腰痛の治療で

    一番難しいのは、癒着性の椎間板ヘルニアだと

    私は感じています。

     

    なぜ難しいかといいますと椎間板と脊髄が癒着している部分、

    MRIでいうと神経に当たっている部分です。

    (写真では癒着しているかどうか分かりません)

     

    ここをはがすのに、ゆっくり少しずつ剥がさないと

    神経にダメージを与えてしまうからです。

     

    例えると、怪我をしてかさぶたができますが、

    そのかさぶたを剥がすような作業です。

     

    いきなりかさぶたを取ると出血しますよね。

    だから、慎重に行わないと悪化してしまいます。

     

    上記の患者さんは2回目の施術後に眠れるようになり

    4回目の施術で短時間ですが普通に立って動ける

    ようになり、6回目の施術で、痛みがまだありますが

    コルセットを巻いて仕事ができるまで回復しました。

     

    来院当初はお母さんと一緒に見えたのですが

    待合室のソファーに下向きで倒れこんだ状態で

    立って動くのも困難な状態だったので、回復期間と

    しては過去の同じ症例からすれば早い方だと思います。

     

    治療経過は仰向きで寝てもらった痛みが出ている

    足を膝を伸ばした状態で術者が上にあげていきます。

    この時は患者さんは全く力を入れていない状態です。

     

    癒着性のヘルニアは20度か30度上げると

    腰からお尻、足にかけて電気が走るような

    激痛を訴え、足が突っ張るように感じます。

     

    理由は圧迫している神経が

    ヘルニアでなければたわんでいるので

    足を上げてもたるんでいます。

    ですが、癒着性のヘルニアはこの神経がピーンと伸長してしまう

    ので太股の裏側が突っ張るような強い痛みが出ます。

     

    治療が上手くいけば、足が少しずつ上がってきます。

    45度以上あがるようになれば、癒着している椎間板が

    はがれている確率が高いです。

     

    腰のヘルニアで何をしても全く良くならない、

    もしくは手術を勧められた方のお役に少しでも

    立てれれば嬉しいです。