歩くと足の裏が痛い、かかとが痛い足底筋膜炎にマッサージ、インソール、リハビリは効果があるのか?

 

足底筋膜炎とは?

目次

     

    足底筋膜炎は下肢のスポーツ障害で最も多く見られる疾患です。

    また、老化によって必要以上に足のアーチがつぶれることによっても

    発症します。

     

    足の裏には足底筋膜といって、筋肉を包んでいる膜が

    足の指からかかとまで縦に走っています。普段は

    この筋膜は緩んでいるのですが、足のアーチがつぶれると

    足底筋膜が過緊張してしまい、足指の裏、土踏まず

    かかとの裏に痛みが生じます。

     

    足底筋膜炎になっている方の足の裏をみると

    ほとんどが偏平足になっています。偏平足がどうかは

    立った状態で土踏まずに指先を入れてみて、最低

    第一関節が入らなければ偏平足です。

    裸足で歩くとペタペタ音がします。

     

    足底筋膜炎になると歩くときに足裏やかかとに

    痛みが走ります。歩かなかったり、土踏まずの

    上がっている靴やクッション性の高い靴で歩くと

    痛みが軽減するのが特徴です。

     

    専門的には土踏まずを構成する内側縦アーチが

    つぶれると足底筋膜炎の原因になります。

    内側縦アーチは骨では踵骨、距骨、第一楔状骨、第一中足骨、

    軟部組織では、スプリング靭帯(足底踵舟靭帯)、前脛骨筋、

    後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、足底筋膜で構成されています

    足底筋膜炎の原因とは?

     

    足底筋膜炎の原因は大きく分けて2つあります。

    1つは老化によって足のアーチがつぶれて

    足底筋膜が伸びてしまう。

    もう1つはバスケット、バレーボールなどのジャンプ競技や

    マラソンなど長距離走ることによって、足に負担がかかり

    アーチがつぶれることが原因です。

     

    足のアーチを構成している重要な筋肉と靭帯は

    つま先立ちで伸びる長母趾屈筋、アーチを保持する足底筋膜

    アーチを支えるスプリング靭帯です。

     

    この靭帯や筋肉に問題が起きると足底筋膜炎になりやすいです。

    また、足が内またになると、足の関節がゆるみ下からの衝撃を吸収する

    ことができず上記の靭帯や筋肉に負担がかかり足底筋膜や外反

    母趾になりやすいです。

    マッサージ効果

     

    足の裏をマッサージすることはとても有効です。

    特に土踏まずがある足裏の内側を足底筋膜にそって

    縦にマッサージすると効果があります。

     

    ただし、直ぐには効果がでないので毎日、

    短時間でもいいのでお風呂上りにマッサージすることをお勧めします。

     

    マッサージするときの注意点として強く押さえ過ぎないことです。

    痛いくらい押さえてしまいますと足底筋膜が

    反発してさらに緊張してしまい悪化することがよくあります。

    下がった土踏まずを上げるようなイメージで気持ちの良い程度の強さで押さえて下さい。

    もしも、マッサージを終えた後に痛みが

    出た場合は強すぎると思ってください。

     

    他にもテニスボールを使った足裏マッサージが効果的です。

    立った状態でテニスボールを少し足裏で押さえて痛みのない範囲で前後に動かします。

    注意点としてはテニスボールが新品ですと

    かたくて足裏を強く圧迫することがあるので、使用した古いテニスボールで足裏をマッサージを行ってください。

     

    1ヶ月間続けると、足裏の筋肉である足底筋膜が

    やわらかくなっているのを実感できます。

    インソール効果

     

    足底筋膜炎に対する治療の一つとしてインソール(中敷き)は

    とても効果が高いです。その理由は、靴を履いている間は

    足のアーチを保持することができるからです。

     

    病院や接骨院の治療やテーピングによって、アーチを

    上げても最初は効果がありますが、歩いていると直ぐに

    元に戻ってしまいます。

     

    ですので、足底筋膜炎で悩んでいる、困っている人には

    インソールをお勧めします。ただし、自分の足にあったインソールを

    選ばないと逆効果になってしまい悪化することがあります。

    今は整形外科で保険を使ってオーダーメイドのインソールを

    作ってもらえます。また、インソール専門のお店や靴屋で

    インソールに詳しい店員さんもいますので、最初に聞いてから

    購入することをお勧めします。

     

    インソールを使わなくても、アーチがしっかりしている構造の靴

    例えばニューバランス(NB)などを使用するのもいいと思います。

    また、今使っている靴の中敷きに土踏まずの形をした特殊の

    ゴム(筋肉のかたさにちかい)を貼りつける方法あります。

     

    靴を履かない人はアーチを保持する専用の足サポーターを

    使用することをお勧めします。靴下みたいなサポーターに

    なっているので家の外でも中でもつけていられるのでお勧めです。

    リハビリ効果

     

    足底筋膜炎の有名なリハビリとしては2つあります。

    1つはマーブルキャリー、もう1つはタオルギャザーです。

     

    マーブルキャリーはビー玉を足指でつかんで持ち上げて

    横へ移動しておろします。この動作を繰り返します。

    これを行うことによって、伸びた足裏の筋肉である足底筋膜が

    鍛えられて縮み、アーチが作られます。

     

    タオルギャザーはタオルの上に足を乗せて足指で

    タオルをつまんで手前にタオルを引っ張ります。

    この動作を何度も繰り返して足底筋膜を鍛えます。

     

    マーブルキャリーもタオルギャザーも最初は

    上手くできないですが、やっていくうちにスムーズに

    できるよになるので、あきらめないで頑張ってやり

    続けて下さい。

     

    上手くできるようになってきたら、足底筋膜が

    強化されています。

    まとめ

     

    足底筋膜炎は偏平足の方や運動のやり過ぎ、

    体重の増加、老化で起きることが多いです。

     

    何が原因なのか明確になれば、それに対して

    対処すればいいので治すことは難しくないです。

     

    原因を分からないまま、治療やマッサージ、リハビリ

    を行っても効果が低いです。

     

    臨床上は足底筋膜炎になっている方のほとんどは

    偏平足になっていることが多いので、アーチを上げる

    ことでほとんど解決できます。靴ではなくヒールをよく履く人、

    サンダルを履いている人に多くみられます。

     

    痛みを我慢して何も対処しないと慢性化してしまい

    治療を開始しても長期間かかってしまいます。

    歩いたり、体重を足にかけると足裏が痛い、かかとが

    痛い場合は直ぐに整形外科などの病院で診てもらう

    ことをお勧めします。